アドルフ・ヴェルフリというアーティストを知っていますか?

誰
アドルフ・ヴェルフリはアウトサイダーアート(障害者など芸術と関わりのない人の作った芸術作品のことを指してこう呼ぶ)の巨匠です。
今回はアートを普段見ない、興味がないという皆さんにも是非知ってもらいたいアーティスト「アドルフ・ヴェルフリ」を紹介します。
2017年4月、東京ステーションギャラリーで開催された大回顧展を見にいきました。
その結果、普段は買わない画集などを買ってしまったので、その感想なども最後にちょろっとまとめました。
アドルフ・ヴェルフリとは
アドルフ・ヴェルフリとは何者なのか。実は彼は職業的な画家ではないのです。スイスの貧しい家に生まれ、いろんな仕事を転々としたのち、26歳の時、幼女への暴行未遂で逮捕。31歳の時にも再び逮捕され、統合失調症の診断を出されて精神病院に入ります。
その精神病院の中で制作を開始します。
自分がとある王国の王様だと信じ込んだ彼は新聞紙にその王国についての空想を描き続け、そして66歳でこの世を去るまで、精神病院の中で生涯を終えます。
その間に人に見せることも、お金を稼ぐこともなく、45冊、25000ページの大量の作品を残しました。
アドルフ・ヴェルフリの作品

どんな絵か気になる
(*画像は無料共有サイトFLICLERの中から商用利用できるクリエイティブ・コモンズの画像だけを検索できるサービスCC PHOTO SEARCH in Flickrから持ってきております)
feedproxy.google.com/~r/iclassicalcom/~3/t5tInT9iVlM/
en.wikipedia.org/wiki/Adolf_W%c3%b6lfli
著作権的に引っ張ってこれたのはこの2点ですが、ネットで調べれば、もっとたくさんの画像が見られます。
とにかく執念的とも言える異常に書き込まれた緻密さが特徴。
アウトサイダー・アートとは
知的障害者や美術界とは無縁の人が作った作品がアウトサイダー・アートやアール・ブリュットと言います。
様々な人が言及しているので、正確な定義付けはむずかしいのですが、
アール・ブリュットはおもに障害者の人の作った作品。
アウトサイダー・アートはさらに広義の意味で、民族芸術なども含まれており、社会から切り離された人のつくった作品、という大まかな解釈でよいと思います。
社会の外側に取り残された者の作品で、美術教育を受けていない独学自習
Wikipedia「アウトサイダー・アート」より引用
書籍
アドルフヴェルフリに関する書籍は少ないのですが、こう言ったものがあります。カラーで迫力満点。
まとめ(大回顧展の感想)
仕事にするでもない。
人に発表するでもない。
ただただ、自分のために描き続ける絵ってどんなだろう?
と気になったのが、見に行った動機でした。
僕は絵を描いてお金をいただいているので、どうしてもこれは売れる、売れないみたいな計算と絵を描く行為を切り離して考えることができません。
ですが彼の大回顧展を見て、結局絵は値段がついて流通した時点で、価値っていう一方的な見方しかできなくなるけど、本当はもっと曖昧なものなんだということを感じました。彼の作品はそういった仕組みの手前にあったからです。
だから、純粋であり良いのだ、ということではないのですが。
ただ彼の人生は、後世に生きる僕を「こういう人もいたんだ」と勇気づけるんですよね。
そんなことをつらつら考えました。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
今回は以上になります!
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